
親しい友人同士のパーティーなら多少の失敗も許されますが、結婚披露宴でのスピーチともなるとそうはいきません。本番であわてないように原稿を作り、時間や話す速度などをチェックしておきます。ただし、原稿を丸暗記しても気持ちのこもったスピーチにはなりません。自分の言葉で話せるようになるまでリハーサルを何回もしましょう。また、どんな上手なスピーチでも内容が正確でなければ台無しです。知っているつもりでも、とかく思い込みや間違いがあるものです。主役となる人の略歴や家族について話すときは、特に注意が必要です。スピーチは3分程度で止めましょう。
<スピーチの組立てを守る>
組立ての基本は、
1.その場にふさわしい挨拶。
2.自己紹介。主役と自分との関係を簡単に説明。
3.主題。思い出話やエピソードの内容は一つに決める。
4.結びの挨拶。激励。アドバイス、期待などの言葉はゆっくりと心を込めて話す。

媒酌人の挨拶は、披露宴の最初に行われるもので、プログラムの中で最も重要なものの一つです。和やかな雰囲気をかもし出すように話すことが大切です。新郎新婦に関するデータに間違いがないかどうか綿密に原稿を作り、誰にでも聞き取れる口調で話すことがポイントになります。スピーチの構成としては、
1.列席者へのお礼の言葉
2.挙式の報告
3.新郎新婦の紹介と結婚までのいきさつ
4.新郎新婦への激励の言葉
5.新郎新婦への今後の指導、援助をお願いする言葉という順になります。挨拶の長さは10分位が列席者を退屈させない限度です。
◆スピーチ例(職場の上司編)
皆様、本日はお忙しい中、ご臨席を賜りまして誠にありがとうございます。ただいまのご紹介の通り、私はこの度「◯◯◯◯」君と「◯◯◯◯」さんの晴れのご婚儀に媒酌人という大役を仰せつかりました「◯◯◯◯」でございます。まずは、先程当会館(ホテル)の挙式場におきまして、滞り無く夫婦のちぎりを結ばれましたことを皆様方にご報告申し上げます。
それでは、お二人の簡単なプロフィールをご紹介させていただきます。新郎「◯◯」君は、昭和◯年◯月◯日に「◯◯◯◯」様のご長男としてお生まれになりました。◯年◯月、◯◯大学を卒業と同時に当社◯◯◯に入社、現在私がおります営業部に勤務され、後輩からの信頼の厚い優秀な営業マンとして活躍しております。新婦「◯◯」さんは、昭和◯年◯月◯日に「◯◯◯◯」様の次女としてお生まれになりました。◯月◯日、◯◯大学を卒業され、新郎と同じく当社に入社、人事部で今年の5月まで勤務して頂いておりました。ご存じの方もおられるかと思いますが、二人は、社内のスキークラブを通じて知り合われました。一級の資格を持っている「◯◯」君は、クラブの中でも指導者的な立場にあり、特に「◯◯」さんに対するレッスンは周りから見ても特別なものがあり、クラブ活動以外でもよく2人でスキーに出かけ、「◯◯」さんは他の部員をよそにいつの間にか2級の資格を取るまでに上達していたそうです。そんな「◯◯」君の愛情のこもった熱心な指導が実り、本日めでたく結ばれたわけであります。これからお二人は、夫婦としての第一歩を踏み出していく訳でありますが、いつまでも
今の気持ちを忘れずに、お互いを尊重し、励ましあい、ともに人間として成長できるような安らぎの家庭を築いて下さい。なにとぞご臨席の皆様、まだ人生経験の上では未熟なお二人ではありますが、おりにふれ温かいご指導と、厳しさの伴った励ましを賜りますようお願い申しあげます。以上をもちまして、媒酌人としてのご挨拶とさせていただきます。

人生の先輩としてもアドバイスや教訓を述べるのにふさわしい立場にあります。
◎上司としての立場では…日常の職場での新郎新婦の様子を話し、あたたかい目で見守っていく姿勢をあらわします。話し手自身のプライドを誇示したり、自慢話しは禁物です。
◎恩師としての立場では…学生時代からの新郎新婦を知っているのですから、エピソードにも工夫を。その場合、当時の社会背景などを簡単に添えると良いでしょう。
◎先輩としての立場から…列席者の中にあって比較的若輩の身でスピーチを行うわけです。周囲の先輩、両親に礼を失しないようにします。
ヲスピーチ例(会社の上司編)
新郎「◯◯」君、新婦「◯◯」さんご結婚おめでとうございます。また、◯◯家、◯◯家の皆様、誠におめでとうございます。本日は、このような盛大な宴にお招き頂き、厚く御礼を申しあげます。只今ご紹介いただきましたとおり、私は新郎「◯◯」君と同じ会社に勤め、営業部でたまたま上司という立場にいるものでございます。「◯◯」君はご覧の通りの長身のハンサムボーイです。そしてなによりも凄いことは、彼の強靭な体力です。学生時代ラグビーで鍛えた肉体は「鉄人◯◯」というニックネームのとおり、営業という厳しい職場で毎日夜遅くまで勤務しているにもかかわらず、入社以来6年間無遅刻無欠勤を通しており、昨年名誉ある社長表彰をうけたほどです。当然の事ながらお客様や同僚、後輩からの信頼は厚く、営業成績も大変優秀であり、上司という立場ではありながら、私も敬服しております。今日こうして「◯◯」さんという生涯のパートナーを得た「◯◯」君に一言言わせていただきますと、これからは仕事ばかりでなく家庭にも体力を注いでいただき、「◯◯」さんからも表彰されるような素敵な家庭、素敵な「夫」になれるよう努力して下さい。私も「◯◯」君が一分一秒で
も早く帰宅できるよう協力させていただきたいと思います。誠にとりとめのないお話になりましたが、お許し下さい。これをもちまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。

披露宴では友人・同僚のスピーチの善し悪しによって雰囲気が和んだり、場が盛り上がったりするものです。二人の人柄をしのばせる話題を持っているのが友人であり、同僚です。二人の素顔がよくわかるように、自分しか知らないエピソード、思い出話しの中からなるべく一つだけを選びます。あくまで話の主役は新郎新婦です。新郎新婦についての正直な感想を織りまぜて、さりげなくほめることです。また、両親や親族にまで恥をかかせてしまうような暴露話はしないように気をつけます。謙虚な気持ちを忘れずに。
ヲスピーチ例(学生時代の先輩編)
新郎「◯◯」さん、新婦「◯◯」さんご結婚おめでとうございます。また、◯◯家、◯◯家の皆様、誠におめでとうございます。私たちは、中学、高校と一緒で学生時代バレー部に所属しておりました。年齢は私の方が一つ上でしたので、先輩と後輩の間柄でしたが今思えば◯◯さんに教わることの方が多かったとしみじみ思います。◯◯さんは一人っ子としてご両親の深い愛情を受けて何一つ苦労なく育ってこられたにもかかわらず、視野が広くて常に周りへの気配りを忘れず、部のムードメーカーとして貴重な存在でした。この素敵な性格はご両親から受け継がれたなによりも尊い宝物だといえると思います。私も半年前に結婚いたしましたので、先輩として一言添えさせていただきます。愛するということは、お互いに見つめあうことではなく、一緒に同じ方向を見つめることなのだと発見しました。きっと◯◯さんでしたら持ち前の明るさと思いやりで、素敵な家庭を築いていけると思います。そして新郎◯◯さんは◯◯さんをいつまでも大切にしてさしあげて下さいね。お祝いとともに、心からお願いいたします。
※思い出に残るエピソードなどをつけ加えると話しにボリュームがでます。

再婚の場合…再婚といっても、前の配偶者と死別した場合、再婚同士の場合、それに相手が初婚の人との場合など、ケースはさまざまですので、状況をよく理解した上でスピーチを考えます。あまりふれまいと気を使いすぎるのもかえって不自然なもの。もし親しい間柄なら、古傷にふれない程度に話しても良いかなどと、本人の了解を得ておくのも一法です。
国際結婚の場合…どんな国の人と結婚しても、祝福する気持ちは同じです。異国で生活する人への思いやりの気持ちが、なにより大切です。
晩婚の場合…あまり年齢のことばかりにこだわったスピーチは慎みます。大切なのはやはり、二人を祝福する気持ちです。 |